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鬱の力

鬱の力 (幻冬舎新書)

この本は、図書館で何気なく手にとって借りたものである。「鬱の力」って、いったい何?そう思ったのが、読むキッカケだった。それに、五木寛之さん・香山リカさんの対談本という形態なら、気楽に読めそうだったのもあったし。

例えば、「恋人に振られちゃったよー」なんて落ち込むことってあるだろう。こんな一時的なものだったら、「鬱な気分」の範疇と捉えても良いと思う。大体の場合、そういうことって暫く続くことだけど、放っておけば勝手に何とでもなることなのだから。しかし下手すると、こんなしょーもないことまで「うつ病」って言わざるを得ない状況があるそうだ。私にとっては、それはびょーきじゃない!って思えるのだが。(これは、ほんの一例)

五木さんも香山さんもそれぞれの立場から、気質や気分としての「鬱」と病気としての「うつ」とは別々に考えた方が良いのではないかと仰る。病気としての「うつ」の経験はないけれども、私は気質や気分としての鬱だったら自分にもあると思うので、もし「誰でもそんな気分になるよ」と言われても納得するだろう。実際に、鬱な気分の時があるのだから。昨今の社会では鬱な気分そのものを否定してしまう風潮があるけれど、そんなにムキになって否定することもないかな・・・ぼんやり思っていたことを言われた気がする。

それと、病気としての「うつ」とは一緒にしてはいけないだろう。でも、香山さんによれば、その基準が曖昧で判断しにくいものらしい。自称「うつ病」の人もいたり、「うつ」であるという判断を下されれば安心するという患者さんもいる中では、判断が難しくなってるのだろうか。実際、現在では重度の統合失調症の患者さんより、「うつ」の患者さんの方が多いんだそうだ。これは、以前だったら、「うつ」と診断されなかった人が「うつ」と診断されることが増えたことが大きいらしい。

その他、諸々の話が出てくるのだけれど、実際の現場を知る人の話を興味深く読めるという点では評価できる本だと思う。


それにしても、「無気力な人は鬱にならない」という五木さんの発言は面白かったなあ。

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