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蒼穹の昴(3)

蒼穹の昴(3) (講談社文庫)

(あらすじ)
落日の清国分割を狙う列強諸外国に、勇将・李鴻章が知略をもって立ち向かう。だが、かつて栄華を誇った王朝の崩壊は誰の目にも明らかだった。権力闘争の渦巻く王宮で恐るべき暗殺計画が実行に移され、西太后の側近となった春児と、革命派の俊英・文秀は、互いの立場を違えたまま時代の激流に飲み込まれる。


物語は、いよいよ運命の歯車が動き出し、転換を迎えようとしている。春児を始め、文秀、王逸、順桂、その他もろもろの人々の人生に何らかの変化が起きていく。まさに、「転」である。いったい、これからどう「結論」に持っていくのだろうか。凄く気になる部分である。

実は、この巻は少しずつ読めるところをぱらぱらめくって読んでいたせいで、何度か同じようなページを読んでいたりする。でも、通しで読むと殆ど一気に読めてしまう。読み終えるのが勿体なくなってくるが、仕方がない。

それにしても、春児の運命は過酷なものだ。栄禄たちの暗殺計画を偶然耳にしてしまった件では、結局それが実行に移され、しかも実行に関わった人物の死を知ってしまうことになる。そして、謀殺されたのが文秀の岳父である。そのことまで知ることになるなんて、小説の中の出来事とはいえ厳しいことだ、と思う。にも関わらず、彼は本当に善人なのだ。彼は厳しい境遇の中にいて、何でこれほど善人であり続けることが可能なのだろう?いみじくも、登場人物の一人であるトーマス・E・バートン(本人曰く、無神論者)が同様のことを感じていたようだ。もっとも、彼の場合は「宦官がクリスチャンである筈がない」という思いもあったようだが。

一方、西太后は、いよいよ頤和園で隠棲すると決めた。しかし、事はすんなり決まるのだろうか。これも、気になる話ではある。


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